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有機太陽電池(Organic Photovoltaics)6

Ghassan E. Jabbour and Evan Williams
Flexible Display Center
Department of Chemical and Materials Engineering Arizona State University, Tempe, Arizona

太陽エネルギー技術は、最も優れた再生可能資源である「太陽」から大量のエネルギーを得られる手段として大いに有望です。新しい有機半導体の継続的な開発と利用が進んでいる為、太陽電池としても知られる比較的高効率な光起電デバイスの製造が可能になっています。有機半導体材料を使用することで、印刷法1やroll to roll製法といった低価格で生産性の高い製造技術で光電池を生産できるようになりました。そして、有機光電池を利用して、低価格、軽量、しかもフレキシブルなデバイスを供給することも可能です。こうしたデバイスは、窓のコーティング、壁紙2、布や衣類など、様々な所に組み込むことができます。

有機太陽電池は、4つの重要な仕組みを経て機能します。すなわち、光の吸収、自由電荷の生成、これら光生成されたキャリア(電荷担体: charge carrier)の輸送(拡散)、そして各電極へのキャリアの拡散です。綿密な設計とデバイスの工夫は電池の最適化のためには非常に重要ではありますが、全体の効率は吸収することのできる入射光線の量に基本的に左右されるため、幅広いスペクトル域にて吸収力の強い色素が求められています。吸収量の改善のためのバンドギャップの制御に加えて、伝導性を高める為に色素分子が唯一の輸送媒体としてあるいはドーパントとして、電荷輸送に関係する場合もあります。

1950年代に有機薄膜の光起電力についての研究は始まり、1970年代までに有機太陽電池の開発に向けて大きな進展がありました。当時の初期のデバイスは、金属-絶縁体-半導体(MIS: metal-insulatorsemiconductor)構造あるいはショットキーバリア構造で構成されていて、通常スクアリリウム色素またはメロシアニン色素を組み込んでいました3。アントラセン、フタロシアニン、ポルフィリン、ペリレンのデバイスがまもなくそれに続き、そして、1986年にはC. W. Tangが出力効率1%のセルを開発しました4。このデバイスは、銅フタロシアニン(CuPc: Aldrich製品番号:546682(99%)、546674(sublimed grade)、702854(triple-sublimed grade, >99.99%))とペリレン誘導体を使った有機二層構造で、p-n接合を模倣するものでした。今日では、フタロシアニンは、有機太陽電池で最もよく利用される材料のひとつであり、フラーレン誘導体化合物とあわせて使われることもあります。

色素増感太陽電池は、色素を使った光電池から派生した重要な技術です5。現在、これらのデバイスの出力効率は約10%で、固体型有機太陽電池を大きく上回っています。デバイスの構造は、ナノ多孔性酸化物(TiO2、ZnOなど)から成り、増感効果のある色素の単分子層で覆われています。最も広く使用されている色素は、N3色素cis-Ru(SCN)2L2、L=2,2-ビピリジル-4,4-ジカルボキシレート、Aldrich製品番号:703206)です。この色素は、光を吸収した後、電極と接した酸化物に電子を注入する役割を果たします。対極へ運ばれた電子は電解質の酸化還元反応で色素と再結合し、電解質溶液が正電荷を対極に輸送します。このようなデバイスの変換効率が高いのは、ナノ多孔性電極の表面積が非常に大きいためであると考えられます。

最後に、新規色素材料によって光の利用効率とキャリア輸送効率の両方を向上させることで、低分子系・高分子系有機太陽電池や色素増感太陽電池、有機‐無機ハイブリッド型太陽電池など、あらゆる有機太陽電池の性能が大きく改善する潜在性があるのです。

References

  1. Shaheen, S. E. et al. Appl. Phys. Lett. 2001, 79, 2996.
  2. Ball, P. Nature Materials News & Features. http://www.nature.com/materials/news/news/011108/portal/011108-5.html (accessed May 2009).
  3. Chamberlain, G. A. Solar Cells 1983, 8, 47.
  4. C. W. Tang, Appl. Phys. Lett. 1986, 48, 183.
  5. Gratzel, M. J. Photochem. Photobiol., A 2004, 164, 3.
  6. Jabbour, G. E.; Williams, E. ChemFiles 2006, 5(8), 7.

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