ナノ粒子(ナノパウダー)
金属や半導体あるいは酸化物などのサイズがナノ領域になってくると、バルクとは異なったユニークな物理的、化学的特性を示すようになることが知られています。例えば、溶融温度・焼成温度の大幅な低下、蛍光発光、触媒の高効率化・新規反応などです。これらは高表面積を持つことによる原子の移動・拡散・溶解性の増大、量子サイズ効果、あるいは表面や界面の影響によると考えられています。
近年、科学技術における高精度・高密度・小型・軽量化が求められる中でナノ粒子は、セラミックスのナノ構造改質剤、薄膜合成、コーティング材、二次電池・燃料電池用材料、蛍光材料、電子部品材料、磁気記録材料、研摩材料、顔料、化粧品材料、さらにバイオの分野でもドラッグデリバリー、新規造影剤、蛍光標識、人工組織などへの応用が期待されています。
シグマアルドリッチでは多岐にわたる無機ナノ粒子を取り揃えており、その組成は周期表のほとんどを網羅しています。組成の点からは、大きく2つのカテゴリーに分類できます。ひとつは金属・合金ナノ粒子、そしてもうひとつはセラミックナノ粒子です。セラミックナノ粒子には酸化物(複合型およびドープ型)、窒化物、炭化物、およびカーボンナノ粉末やダイヤモンドナノ粉末のような特殊セラミックスなどがあります。
ナノ粒子の製品リスト(USサイトの製品リストをご覧ください。)
ナノ材料のサイズ
特に言及しない限り、弊社製品に示されたサイズはBET法による測定値であり、球状粒子の平均サイズを表します。ナノ粒子サイズの測定法に関する総説は「小さな粒子の大きな問題:ナノ結晶性アナターゼ粉末の粒子サイズ測定法の比較(The Big Problem of Small Particles: A Comparison of Methods for Determination of Particle Size in Nanocrystalline Anatase Powders) Weibel, A. et al. Chem. Mater., 2005, 17, 2378」をご参照ください。
ナノ粉末とナノ粒子懸濁液・溶液
「ナノ粉末」はナノ粒子の固体粉末であり、通常ミクロンサイズのナノ粒子凝集体を含んでいます。これらの凝集体は超音波処理などを用いることにより再分散させることができます。ナノ粒子分散系は水または有機溶媒に分散させた「ナノ粒子懸濁液」です。これら懸濁液はそのまま使用するか、または適切な溶媒で希釈して使用します。分散系中のナノ粒子は保存の際に沈殿することがあり、使用時によく混合(攪拌)する必要があります。表面に官能基が導入されたナノ粒子(銀や金など)には、水溶液または有機溶媒溶液として提供されているものもあります。これらは「真の」溶液であり、適切に保存すれば沈殿や相分離を起こしません。
応用例
- Silver:
- タンデム型太陽電池−正孔輸送層内の電荷移動度のアップに。
- TiO2, Nb2O5:
- 色素増感太陽電池に。
- Indium tin oxide, Antimony tin oxide:
- 基板に塗布して透過導電性や帯電防止性の付与に。
- Al2O3, TiO2:
- 光透過性の耐磨耗性コーティングに。
- ZnO, 希土類酸化物:
- UV反射用コーティングに。抗菌剤、消臭剤に。
- Al2O3, SiO2/Al2O3, TiO2, Gold:
- ドラッグデリバリー(Layer-by-Layer Nanoassembly)に。
- CuO:
- 抗菌防腐剤に。
- ZrO2, CeO2:
- 燃料電池に。
- Al2O3, SiC, TiC:
- ナノ構造改質剤として。
このほかに、磁気記録材料、磁性流体、顔料、センサー等の応用例が考えられています。弊社季刊誌 Material Matters Vol.2 No.1およびVol.4 No.1ではナノ材料を取り上げています。また、Learning Centerでは「ソルボサーマル法によるナノ粒子の合成」について解説されています。

