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自己組織化材料(カタログ126-127ページ)

分子自己組織化1とは、外的要因からの制御を受けずに、分子自身で自然に組織や構造を構築することです。自己組織化は、例えば細胞を取り囲む脂質二分子膜の自己組織化のように、自然界で自発的に生じます。

最近10 年間の分子自己組織化の研究で効果を上げ大きな注目を集めたものは、チオールやホスホン酸などの有機分子と金表面または酸化物表面の間の比較的弱い分子間相互作用を利用した自己組織化膜(SAM)の形成です。

金基盤上での分子自己組織化

金表面上でのアルキルチオールの自己組織化は、数種類の力が牽引します。まず、金−イオウ相互作用は約45kcal/mol とかなり強いため、膜形成分子が表面に比較的強く結合します。

金表面上チオール分子の模式図 図1: 金表面上チオール分子の模式図

さらに、アルキルチオール分子中の炭素原子と水素原子間の疎水性相互作用により、全体的な表面エネルギーが大幅に低下し、自己組織化単分子膜の形成が促進されます。特にアルキル鎖に最低10個の炭素原子が含まれている場合が顕著です。

金属酸化物表面上の分子自己組織化

マイクロおよびナノエレクトロニクス材料分野における最近の進歩により、SAMの適応範囲が従来の金/チオール系を超えて広がっています。リン酸基またはホスホン酸基を導入することで単分子膜を構成する分子の化学官能性が変化し、SAMの調製に使用する基板の選択肢を広げることが可能です。このような極性の酸性分子は、多種多様な金属酸化物表面(Al2O3, Ta2O5, Nb2O5,ZrO2など)と相互作用し、金表面上のアルキルチオールSAMの場合と同程度の秩序を持つ膜を形成できます。

SAMの用途には、ナノワイヤ、ナノトランジスター、ナノセンサーなど、多数の半導体電子産業用材料があります。他のSAMの用途には、表面濡れ性、防汚性、電気化学、表面不動態化、タンパク質結合、DNA組織化、耐腐食性、生物学研究用アレイ類、細胞間相互作用などがあります5-7

チオール化合物の全製品リストは「マイクロ・ナノエレクトロニクス」のページからご参照ください。

自己組織化膜の応用例

図2: 自己組織化膜の応用例
(a)防汚染性表面(b)特異的結合レセプターをもつSAM(c)細胞をネイティブ状態で培養・実験するための細胞支持体(d)分子エレクトロニクス(e)マイクロアレイ(f)分離

References

  1. Material Matters, 2006 1(2).
  2. M.D. Porter et al. J. Am. Chem. Soc., 1987 109, 3559.
  3. C.D. Bain et al. J. Am. Chem. Soc., 1989 111, 7155.
  4. G. Hahner et al. Langmuir, 2001 17(22), 7047.
  5. J.C. Love et al. Chem Rev., 2005 105, 1103.
  6. N.K. Chaki et al. Biosensors & Bioelectronics, 2002 17, 1.
  7. A. Ulman Chem Rev., 1996 96, 1533.